
京都のAMスタートアップ・YOKOITOは2014年、「すべてのアイディアをカタチにできる社会」をテーマに京都で創業したベンチャー企業だ。Formlabs製3Dプリンターの国内正規代理店として業界に名を馳せてきたが、現在はその枠を大きく超えている。
2021年に立ち上げたAM部門「Yokoito Additive Manufacturing(YAM)」では、社内研究施設「YAM Center」を拠点に企画・設計から受託造形・後処理・量産までを自社で一貫して行う。
「後処理」への執念

3Dプリンターで出力した造形品の中でも粉末造形品に対して「表面がザラつく」「粉っぽい」という印象を持っている設計者は少なくない。その不安は、半分は正しく、半分は間違っている。確かに造形直後の3Dプリント品はそのまま部品として使える状態ではないことが多い。
だが、「後処理」と呼ばれる工程を経ることで、見た目も手触りも劇的に向上する。多くの造形サービスでは後処理はオプション扱いだが、YOKOITOでは、この後処理を「オプション」ではなく「標準装備」としてすべての造形品に適用することで、3Dプリント品の新しい品質基準を打ち立てようとしている。追加料金を気にして後処理を省く必要がないため、「どこに頼んでも同じでしょ?」と思っている設計者にこそ、一度造形品を手に取ってみてほしい。
問い合わせがくるほどの仕上がり

YOKOITOでは造形した粉末造形物はすべてブラスト処理を施し表面品質を向上させている。国内では他社に先駆けてドイツの後処理装置メーカーDyeMansionの装置を導入し、訪れるたびに設備が入れ替わり新しい段階へと現場を進化させている。
その結果、同じ3Dプリンターを使っているユーザー企業から「なぜ御社の方が仕上がりがきれいなのか」と問い合わせがたびたび来るほどだという。造形装置だけでなく、後処理の工程にこそ品質の差が生まれる——膨大な点数の造形をこなしてきたYOKOITOは後処理の重要性を熟知している。
豊富な造形ラインアップ
YAM Centerのプリンティングファクトリーには、何十台もの3Dプリンターが並ぶ。粉末焼結方式(SLS)のFormlabs Fuseシリーズは国内最大級の稼働実績を誇る。さらにHP社のMulti Jet Fusion機(MJF)も導入し、高精度・高生産性の量産グレード造形にも対応。光造形方式のForm 4シリーズ・FFF方式のBambu Lab機も加えた4方式の造形に対応しており、用途に応じた最適な工法を提案できる体制を整えている。




販売代理店と製造者の二刀流。「AMをスタンダードに」する人たち

代表の中島佑太郎氏が2014年に創業したYOKOITOは、もともと学生を中心とした若い世代のものづくり環境を支援するところから始まった。現在は、3Dプリンターの技術者・セールス・コンサルタントが揃い、AM技術を日本の製造業に浸透させるという明確なミッションのもとに動いている。
YOKOITOのユニークさは、3Dプリンターの販売代理店でありながら、自らも大規模なユーザーであるという点にある。
「3Dプリンターは便利なツールで導入のご支援もおこなっていますが、技術革新が激しい技術領域です。設計に集中し戦略的に3Dプリンターを持たない方針の企業さまもご支援できるように造形のプロフェッショナルでありたいと思っています。」(YOKOITO中島佑太郎氏)
何十台もの3Dプリンターを毎日動かしているからこそ出せる、実運用に基づいた具体的な知見が強みだ。カタログスペックの比較表では分からない「実際に造形してみたらこうだった」というリアルなナレッジの蓄積がある。
取材の場でも、「この素材でこの形状なら、どの方式がいいですか?」という質問に対して、「SLSならこの精度、MJFならこのコスト感、光造形ならこの表面品質。ただしこの形状だとSLSでサポート不要なのでトータルではこちらが有利です」と、具体的な比較をその場で返してくれた。幅広い設備を備えるからこそ、特定の工法に縛られない最適解を現場の実感を持って回答してくれる。
京都・五条大宮の閑静な住宅街にある自社ビル内の研究施設「YAM Center」には、ショールームとプリンティングファクトリーが併設されている。訪れるたびに設備が入れ替わっているのには毎回驚かされる。
つねに最新の機材に更新し続ける投資姿勢は、3Dプリンター技術が日進月歩で進化していることを体感している同社の技術への貪欲さを端的に表している。見学は事前予約制で受け付けており、3Dプリンターを日常的に扱うテクニカルスタッフがユーザー目線で案内してくれる。東京での実機見学にも対応するという。「訪れることができるAM施設」として開かれた場を持つことで、3Dプリンターの知識がなくても安心して注文できる環境を整えている。
対応範囲|光造形も粉末焼結もMJFも、ワンストップで
3方式の造形に対応し、後処理まで一貫して自社で担うYOKOITOが、メビーマーケットプレイスで提供している工法・材質は以下の通りです(※2026/04/03時点)。1個から依頼できるので、「3Dプリント品の品質が気になる」「とりあえず相談・依頼したい」方はメビーマーケットプレイスでご相談ください。
3Dプリント造形サービス
| 工法 | 3Dプリンタ名 |
| 光造形(SLA/DLS) | Formlabs Form 3 , Formlabs Form 4 , Formlabs Form 4L |
| 粉末造形(SLS/PBF/MJF) | Formlabs Fuse 1 , Formlabs Fuse 1+30W |
| 熱溶解積層(FDM/FFF) | BambuLab X1-Carbon , BambuLab X1E , BambuLab H2D |
| 分類 | 材質 |
| 汎用プラスチック | ABS , ABSライク(PMMA) , PLA , PET-G , PP , Formlabs Tough 2000(ABSライク) , Formlabs Tough 2000 V2(ABSライク) , Formlabs Tough 1500 (PPライク) , Formlabs Tough 1500 V2(ABSライク),Formlabs スタンダードレジン(PMMAライク) , Formlabs Flame Retardant(難燃性ABSライク) , Formlabs ESD(帯電防止ABSライク), Formlabs Durable(PEライク) , Formlabs Tough 1000(PEライク) |
| エンジニアリングプラスチック | PC , PAHT+CF(強化PA+CF) , PA6+CF , PC FR(難燃性PC) , Formlabs Grey V5(PCライク) , PA12 , PA11 |
| ゴム・エラストマー | TPU95 , TPU90 , Formlabs Flexible 80A(ショアA硬度80度相当) , TPU 90A(TPU) , Formlabs Silicone 40A(ショアA硬度40度相当) , Formlabs Elastic 50A(ショアA硬度50度相当) |
メビーマーケットプレイスでYOKOITOに見積依頼
ここまで紹介してきたYOKOITOへの依頼や相談は、すべてメビーマーケットプレイス上で完結します。メビーマーケットプレイスの使い方を簡単4Stepで解説します。
1. 簡単ログイン&アップロード

ミスミ会員IDでログインし、お手持ちの3Dデータまたは2D図面を画面上にドラッグ&ドロップでアップロードします。
2. 要件入力(条件設定)

前述のYOKOITOが対応している材質・工法などの情報をもとに、サービス画面で「3Dプリント」を選択し、希望する条件をプルダウンから選びます。
3. プロに直接相談(迷った時も安心)

「どの材料が最適か自信がない」という場合は、「補足情報」の欄に相談内容を入力してください。チャットで気軽に質問・相談が可能です。
4. 見積回答&注文

パートナーから見積回答が届いたら一覧でパートナーごとの単価・出荷日を比較。条件に合えばそのまま注文し、手配完了です。
まずはメビーマーケットプレイスで気軽に見積依頼
「どの工法が良いか分かったけれど、どこに頼めばいいか分からない」「複数社に相見積もりを取る時間がない」そんな設計者の悩みを解決し、スピーディーな手配を実現するのが「メビーマーケットプレイス」です。
特長1)メビー見積対象外にも対応可能
複雑形状・大型サイズにも対応。メビーや取引中の加工会社で手配できない加工も、メビーマーケットプレイスで製造パートナーから手配可能。
特長2)パートナーおまかせ絞り込み機能
設計データをアップロードすれば、条件に合う最大3パートナーを自動で提案するので、手配先の選定作業を省けます。さらに1個から依頼可能で、最短10分で見積取得。急ぎの場合は「最短1日目出荷」にも対応しています。
特長3)口座開設不要
パートナーごとの口座開設・契約手続きは不要。ミスミ会員IDがあれば、図面加工品もミスミ標準品とまとめて購入可能。
まとめ
3Dプリント品は、造形方式や装置以上に「どのような基準で品質をつくっているか」によって仕上がりが大きく変わる。
YOKOITOが重視しているのは、造形後の「後処理」を含めて品質を設計するという考え方だ。後処理を標準工程としてすべての造形品に適用し、設備投資と運用ノウハウを積み重ねてきたからこそ、見た目や手触りに明確な差が生まれる。3Dプリントの品質に不安を感じている設計者にとって、YOKOITOはその前提を覆す存在と言える。
取材協力
株式会社YOKOITO 中島様、重吉様、金田様


