
課題
・見積もり取得に時間がかかる
・試作品が手元に届くまでのリードタイムが長い
・製品品質向上のための時間をもっと確保したい
効果
・3Dデータで試作品手配が可能になり、2D図面作図の手間・発注の手間が大幅に削減
・調達リードタイムの短縮により、設計の検討や評価にいっそう時間を割けるようになった
電子顕微鏡をはじめとする「理科学・計測機器事業」、半導体製造装置などを扱う「半導体・産業機器事業」、生化学分析装置を扱う「医用機器(ME)事業」の3つの事業を展開する日本電子株式会社。
ME事業部で新製品の開発を担当する中村さまは「メビーマーケットプレイスを導入する前までは、試作品を発注する際に手間がかかるだけでなく、部品到着まで時間がかかっていた」と話す。メビーマーケットプレイスを利用することで、どんなメリットと効果が得られたのか、話を伺った。
調達の手間が多く、設計に時間を割けない
私が所属している機械システム設計部 設計第2グループは、現在5名のメンバーで新製品の開発を担当しています。
新製品の開発は、新しい機能や性能を実現するための検証用の試作からスタートして、徐々に装置全体の構成を作っていく流れで進めています。試作を何度か繰り返して、実際の製品化に向けて設計を進めていくという流れになります。
医用機器という特性上、分析装置としてのデータをきっちり出すという「品質」が非常に重要な製品になりますので、トライアンドエラーを繰り返しながらデータが出るように設計を仕上げていくというところが日々苦労して取り組んでいるところです。
従来は、3D CADで設計をして図面を描いて、加工屋さんを選定して、見積もりを依頼して発注するという流れで、試作部品を入手するまでにかなりの時間を要していました。
図面を描いたり、見積もりを取ったり、見積もり回答や納品を待つなどの時間がグッと縮まれば、設計の検討をしたり、できあがったものを使って実験したりして、設計や製品の品質向上につなげられますが、なかなかそこに時間を割けなかったというのが課題でした。
メビ―マーケットプレイスのフル活用で検討・評価に時間を割けるように
メビーマーケットプレイスでは、割と幅広く、試作フェーズに合った使い方をさせていただいています。
例えば、一番最初の原理を確認する試作においては3Dプリンターなど、とにかく早く形ができるサービスを利用し、機能が確認できたら真空注型などの手法を用いてより最終形に近い形の部品を製作してさらに入念なテストを行います。
開発のフェーズが進むに合わせて、いろんな工法を選択できる点が非常に便利です。
メビーマーケットプレイスを活用した効果として、まず3Dモデルで見積もりをしていただけるので、発注の手間がかなり減りました。
設計が出来上がった段階で、すぐに見積もりを依頼して、非常に短時間で見積もり金額・納期などを回答いただけるので、発注するまでの時間が従来と比べると短縮できています。
納期に関しても、従来の加工屋さんと比べて短納期で実現していただいているので、トータルで設計を始めてから試作部品が手に入るまでの期間は大幅に短縮できています。
従来は、作図から見積もり取得、そして納品までの間で待ち時間がかなり長かったのですが、そこがグッと縮まることによって、設計の検討をしたり、できあがったものを使って実験をしたり、そういった本来我々がやりたい業務に割ける時間の割合が増えてきています。
品質を高め、高い信頼性のある製品を実現したい
日頃から製品を使われるお客さま、ひいてはその先にいる患者さまを念頭に置きながら仕事をしています。
それが仮に自分や自分の家族であったりした場合にどうかというところを、ことあるごとに考えながら仕事をする中で、やはり医療機器という特性上、常に安定的に使えないといけないというところで「品質」という面が非常に重要な製品だと思っています。
新製品の開発において、この「品質」を担保するために検証を繰り返していくというのが非常に重要な活動になります。
メビーマーケットプレイスを使うことで、検証に使う部品や治具を短期間で製作いただけるので待ち時間を大幅に短縮することができます。
そこで浮いた時間を、本来我々設計者がやるべき技術的な検討であったり、設計の検討、できあがったものの評価といったところに、どんどん時間を割いていきたいと思っています。
そうすることで、より高い信頼性のある製品を実現していけたらと考えています。
インタビュー協力
日本電子株式会社
ME事業部 ME技術本部
機械システム設計部 設計第2グループ
中村瑞木さま
※内容および所属、役職などは取材当時のものです